ボカロPが教える作曲に使える歌モノの王道的コード進行テクニック!

ブロマガから移行した記事です。


歌モノを作るみなさん!コード進行に悩んではいませんか?


僕はDTMをきっかけに作曲とかし始めた人なのでコード進行って…どうすればいいの…。という最初はそういう状態だったわけです。

そこで!


歌モノに使える数々のコード進行を伝授!!!!!


ここで紹介、解説するのは、一癖あったり変わったコード進行ではなく、よく使われがちなコード進行です!


※ここではキーをCとした場合のコードを表記します

 



まず超王道の3つのコード進行


王道進行

FM7→G7→Em7→Am

王道だから王道進行。とりあえずサビにこれ使えば良い感じになるというチート的コード進行。
なぜAmはAm7では無いのかというと、4和音だと終止感が少し弱まるからですね。

しかしこのまま使えばありきたり!そしてコード進行をサビ以外にも使いたい!

そこで王道進行の発展系を紹介します。

F→G→Em→Am

全部3和音。ロックなんかでパワーコードを使ってならすときにどうぞ。
4和音で鳴らす場合と比べると明るく軽快な感じです。サビだけではなくAメロやBメロにも使えます。


FM7→G7→Em7→Am7

別に最後のAmもAm7にしたっていいじゃないか。派手にいこうぜ。

FM7→G7/F→Em7→Am


G7のルート音をFにするとドミナントのような…サブドミナントのような…という感じになります。ルート音を前のコードから持続させるテクニックは王道進行以外にも使えますよ!

FM7→G→Em7→Am

これが王道進行発展系のなかでも主流だと思うんですよね。セブンスってどうしても癖が強いためにGにすることが多いのだと思います。

FM7→G→E7→Am

先ほどのコード進行をさらに発展させ、Em7をE7にしたもの。
さらにここからいくつかのコード進行に発展させることが出来ます。

FM7→G→E7/G#→Am

FM7→G→G#dim7→Am


ルート音を半音で滑らかに上昇させていくことが出来ます。この2つは歌モノで強い効果を発揮します。


Q. E7とかG#dim7のときのメロディってCメジャースケール(またはAナチュナルマイナースケール)の音を使えばいいの?

E7の場合…Gは使わずG#にするのが望ましいでしょう(Aハーモニックマイナースケール)。

Gの他にFも#にするとAメロディックマイナースケールとなります。

G#dim7の場合…ディミニッシュスケールを使いましょう。ディミニッシュスケールはルートから全音→半音→全音→………と並んでいます。G#ディミニッシュスケールの構成音はG# A# B C# D E F Gです。


小室進行

Am→F→G→C

これもよく聴きますね。Am→Dm7→G→Cという逆循環進行の発展系です。

これを使うとなんというかクサイというか中二感と言いますか…。コッテリコード進行です。癖が強いです。この癖の強さからなんかは知りませんが、ボカロのヒット曲は小室進行がすごく多いですね!





どうやら小室進行はロックとの相性は良いみたいです。

菊次郎の夏のSummer(久石譲)のような曲もありますが…。


では小室進行の発展形。どんなものがあるのでしょうか?


Am→F→G→C→G/B

Cを分割してC→G/Bとしています。小室進行は繰り返しで使うことが多く、G/Bを入れることでAmに繋げやすくなります。

Am→F→G→E7

こちらも繰り返しを前提としたコード進行ですね。E7→Amでドミナントモーションになります。E7を分割し、C→E7する方法もあります。Emにすると柔らかい感じに。

Am→Am/G→F→G→C


恋しさと せつなさと 心強さとで使われたものです。これはF→Gの部分で一小節です。Am/Gという経過和音で一小節使っていますね。Em/Gでも可。


カノン進行

C→G→Am→Em→F→C→F→G

言わずもがな。パッヘルベルのカノンで使われたコード進行です。ちなみにパッヘルベルはカノン以外でこれといったヒット曲が無いので、おそらくこの魔法のコード進行に助けられたんでしょうね。

サザンオールスターズTSUNAMIはカノン進行と王道進行が使われていますね。ただでさえ王道なのにこの2つを入れてしまったわけです。

カノン進行に関しては他のサイトなどで「これでもか!」というほど解説されているのを見ますし、ここでは割愛…。うーん、Am→G→C→Emとかなかなか良いですよ。


以上が3つの超王道コード進行です!

いやちょっとまてよ。よく使われるコード進行ってこれだけなのか?
いやそうじゃない!



世の中にはまだまだ歌モノに欠かせないコード進行があるのです!


IV→V→VIm進行

F→G→Am→Am

東方Projectで知られるZUN氏が多様していたことで一部ではZUN進行と呼ばれていたり。
使い勝手がよく、2000年代のアニソンはこれが多いんじゃないかと。
ただ王道進行並に出現率が高いので、ありきたりにならないようにしましょう。

FM7→G→Aadd9(Asus2)→Am

 

三和音のものより豊かな響きになっていますね。add9はピアノやギターではドを省略し、ラ、シ、ミと弾くことが多いです。Aadd9からAmに行くことでシの音がドに行き、より自然になりますね。


F→G→Am→C

AmからCへの進行は安定していますが、強く進むような感じではないため使い方によっては微妙になります。


ポリリズム進行

FM7→Em7→Dm7→Em7

FM7→Em7→FM7→Em7


勝手に名付けたのですが…中田ヤスタカさんがポリリズムなどで使っています。
トニックのコードが出ていないため安定感より浮遊感のほうが強いですね。

ちなみに中田ヤスタカさんはメロディはそのままで途中でコード進行を変えることがあり、例えばFM7→Em7→FM7→Em7を繰り返さずにDm7→CM7→Dm7→CM7となることがあります。

よく使われるけど話題にされない進行

F→C→G→Am


最近はFM7→G7→Em7→Amの王道進行より多くなっていると思うのですが、これを「王道なコード進行だ!」と言っているサイトが見当たりません。
僕はこれ好きなコード進行ですね。あまり取り上げられないコード進行ですが、頻繁に使われます。

Am→F→C→G

これはサブドミナント→トニック→ドミナントという進行のため少し変わった印象を受けます。感動的な印象を与えることもあり、海外の映画音楽でもよく聴かれるコード進行でもあります。JPOPらしさが薄いコード進行と言えるでしょう。

IV→III→VIm→I進行

F→E→Am→C


おしゃれなコード進行。EmではなくEを持ってきているところがこのコード進行の特徴だと思います。

FM7→E7→Am7→C7

発展形。椎名林檎「丸の内サディスティック」で使用されています。

IVm→IIIm→IV→V進行

Am→Em→F→G

マイナーコードが続き、哀しさという印象が強い。
最後をE(またはE7)にすると、ブルーノ・マーズの24K Magicで使われるようなおしゃれな雰囲気に。

www.youtube.com



上昇進行

Dm→Em→F→G

Dm→Em→F→G7

Dm→Em→F→E

Dm→Em→F→E7


勝手に名づけました。上昇してるから上昇進行。これらは四和音でも構いません。
これはサビ前に入ることが多いですね。
GからはCやAmなどのトニックに。EからはAm及びFに進行することが多いです。
E7(Bメロ)→F(サビ)が王道感満載!

王道進行から繋げることもあります。(FM7→G7→Em7→Am→Dm7→Em7→FM7→E7)


DmってBメロの最初に持ってくるとBメロ感あるよね。ない?ないですかね?



ここからは状況に応じたコードテクニックを紹介!いずれも歌モノでありがちなものですよ!
ほとんどサビ前のテクニック。



ドミナントサスフォー

Gsus4→G

Esus4→E


また勝手に名づけました。ドミナントで使うsus4だからドミナントサスフォー。
例えば先ほどの上昇進行の最後のコードを2つに分割してsus4を入れるという方法があります。サビ前に有効な手段。
G7sus4→G7のようにしても良いですね。

sus4の使い方はメジャコードに解決するまで引き伸ばすというものの他に、メジャーからサスフォーにすることでコードの役割を弱めるというものがあります。

例えばAm→Em→F→Gというコード進行をAm→Em→F→Gsus4にするとあっさりします。うん。あっさり。無機質感とでも言うんですかね?


サビ前をオンコードで責める!

F/G または G/F

歌モノのサビ前のコード進行というのは非常に大事。サビに持って行くまでどのような展開にさせるのか!作曲者の力が試されますね。
ここでは上昇進行を使って解説します。

Dm→Em→F→F/G

GをF/Gにしました。ベースは変わっていないため勢いに変化は無いのですが、サブドミナントFになっているため、必然的にメロディも変わりますよね?もしあなたがサビ前のコードをドミナント一択にしているならオンコードによるテクニックを試してみましょう。

Dm→Em→F→G/F

今度はベースが持続しているため、サビへの入りがいかにも「サビだー!」という感じではなく、なめらか~に入っていく風になります。またルート音がサブドミナントFのルート音のため、サブドミナントドミナントの中間のような響きになります(F/Gも同様)。

 

Dm7/G→G7

Dm7/GはG7の代理コードであり、このように並べて使われることはよくあります。


サビ入りのド定番コード

E7→F または E7→FM7

E7からAmにしかいけないと思っている理論縛られのあなた。構成音の似ているFにもいけますよ。というかむしろこのパターンのほうが多く感じます。
歌モノ王道テクニックの一つでしょう。


転調サスフォー

Asus4→A

Dsus4→D

sus4後のコードがノンダイアトニックコードになることで自然な転調が可能です。この場合CメジャースケールからAメジャースケールにすんなりと転調出来ます。
転調サスフォーなんて専門用語はもちろんありません。


IV→V→VI進行アレンジ

F→G→Am→D/F#

F→G→Am→B♭


この後F→G→Am→Amに続きます。
AmからD/F#への進行は相性抜群です。D/F#はもちろんノンダイアトニックコードですが、使い勝手のいいコードです。B♭はAmから半音上がるというベースラインのなめらかさとFへの繋がりが自然になります。


ドミナントからの同主調への転調

G7→Cm→A♭→B♭→E♭


ここではCメジャースケールからCマイナースケールに転調してみました。ドミナントモーションを使用することで自然な転調が可能になります。Cm→A♭→B♭→E♭は小室進行です。
ちなみにこのコード進行を3半音下げると…
E7→Am→F→G→C こんな感じ。



以上です!

たくさん紹介しましたが、いずれも歌モノのテクニックとして有効なコード進行です。